アメリカン・ドリーム

自由の国アメリカ。大きな夢をもってその地を訪れている日本人は多いことだろう。

日本人に限らずアメリカには世界中から多くの人々が集まり、人種のるつぼとなっている。かなり昔ロサンゼルスを旅していた時、金髪が美しい女性から道を訪ねられたので驚いた。日本だったら、あきらかに外国人に見える人に道を訊くひとはいないだろうなと思うにつけ、これがアメリカなんだと、さまざまな人種が集まっている国のスケールの大きさを実感した。

しかし、必ずしも平等ではないのだと、そこに嫁いだ知人はこぼしていた。やはり白人が優位に見られ、黒人や日本人を下位に見るアメリカ人は多いのだと。差別は根強くはびこっていると。

新しい大統領に変わってから、彼の差別的な発言がしきりに紹介されている。本人が書いた(と思われる)ツイッターのメッセージも、排他的であり、過激で、差別的だ。それが本当に彼の考えならば、倫理的に受け入れ難いものがある。

にもかかわらず、アメリカ国民の49パーセントが彼の考えを支持しているという。ということは、アメリカ国民の半数の価値観は、トランプ氏と近い、あるいは同じということか。

自由の国アメリカは、今、姿を変えようとしているようだ。かつて夢みた憧れの国が、どんな国として生まれ変わるのか。期待と祈りをもって見守りたい。