経験という財産

経験は財産になる。たとえ上達しなくても、前に進めなくても、失敗したとしても、繰り返して経験した事実は財産となり、根拠となり得ると思う。だから、やっても無駄だなんて思わないで、いっぱい経験した方がいい。経験値の高い人は、経験上のさまざまな角…

ピアノのこと

昔むかし、ピアノを弾いていた。音楽学生だったわたしは、実家を離れ、大学の近くに狭いアパートを借りて住んでいたので、部屋には楽器も置けず、ピアノの練習はもっぱら大学の練習室で行なっていた。練習室は建物の2階と3階を陣取っていて、アップライトピ…

聞くことが出来る人

「聞くことが出来る人」というと、傾聴であったり、能動的な聴き方をイメージしがちだが、いわゆる聴き方ではなくて、そもそもわからないことを誰かに訊ねるという意味での「聞く」という行為そのものが出来ない人が、意外に多いんじゃないかと、最近そう思…

お気に入りの場所

図書館の建物の中にある喫茶店でランチした。サンドイッチとコーヒー。そこは一人で過ごす客が多くて、それぞれに何か書物と向き合いながら食事やお茶を楽しんでいる。静かで、ゆったりリラックス出来る空間だ。仕事の忙しさや、日常の喧騒が別世界みたいに…

ダンサーのたまごたち

アマチュアダンサーによるコンテンポラリーダンスのステージを鑑賞した。8月から練習を重ね、プロの振付師による振り付けでステージを作り観客に披露する。テンポの早い進行で、あっという間に60分が終わった。同席の誰かも言っていたが、もっと観ていたくな…

書生節

先日「書生節」を聴いた。書生とは、紺の着物にヨレヨレの袴、裸足に下駄履き、破れた角帽を斜めに被り、黄ばんだ兵隊シャツが袖やら襟から見え隠れする。。。といういでたちの、明治大正頃の学生を指す。文明開化で西洋の文化が入ってくるようになり、その…

文化を繋ぐ

クラシック音楽で古典派からロマン派へと時代を繋ぎ、発展させたのはベートーヴェンだったと言われるが、モーツァルトが交響曲を書いていなければ、ベートーヴェンの交響曲は今のように発展しなかったと言われる。ベートーヴェンの初期の交響曲は、あきらか…

愛を伝える術

「子どもに愛が伝わっていますか」という近藤千恵さん著の本を読んで、受容することの意味がようやくわかった気になった。アメリカの臨床心理学者トマス・ゴードン氏が提唱する「親業」について説明する本である。親になることを「業」と捉え、どんなに子ど…

感情のコントロール

ヒトのの体には自分でコントロールできる随意筋と、コントロールできない不随意筋がある。例えばモノを持ち上げる時の手の筋肉は随意筋であり、内臓など自律神経系の管理下にあるのが不随意筋である。が、随意筋であるはずの腕の筋肉でも、痙攣を起こしたり…

本業以外の仕事について

「歌姫」とも呼ばれていた、ある女性歌手が、数年前に自らのラジオ番組で問題発言をしてしまってから、しばらく活動を自粛していた。発言はたしかに軽率であり、直後に謝罪会見をしたものの、信頼を取り戻せるのは難しかった。けれど、彼女の本業は歌手であ…

走りながら考える

走り初めは、いつものコースを1時間ほど。明るい陽射しに包まれて、ゆっくり走った。市民ランナーをあちこちで見かける。同じ風にお正月休みをのんびりワークアウトで過ごそうという趣向だろう。気持ちのいい年明けだ。久しぶりに走ったので最初は体が重かっ…

知らなかったことを知ること

「勉強嫌い」と口にする子どもたちは多い。彼らは、本当に勉強が嫌いなんだろうか。そもそも「勉強」とは、何を意味するのか。本来、子どもは好奇心に溢れている。生まれて間もない赤ちゃんの頃から、動くものや音の出るものに興味を示し、触れようとしたり…

人生の目的地

朝のバスに乗った。ある停留所に停まった時、約20名ほどの高齢者が乗っていらした。近隣の施設で何か会合があったのだろうか。若干高揚した雰囲気で、機嫌よくおしゃべりされていた。皆さんとても仲良く、お友達のために席を取り置きしておいたり、譲り合っ…

仕事とライフワーク

デキる人には、次から次へと仕事がやって来る。だから、どんどん仕事が増えるのは、「出来る人」という評価を得ているのと同じという考え方がある。仕事を沢山抱えていることがよいことであるかのような考え方だ。高度経済成長の時期とか団塊世代の価値観だ…

村上春樹さんから学ぶ感情の連鎖について

村上春樹さんは、小説家として「書く」ことを楽しんでいらっしゃる。だから読んでる私たちにもそれが伝わってきて、なんだか楽しくなってしまう。エッセイを読むと、毎日ランニングをしているとか、時間を決めて5時間書くことにしているとか、規則正しくもス…

アートと安全について

今年11月に神宮外苑で開催されたTOKYO DESIGN WEEKという現代アート作品の展示会場で、木製のジャングルジムが燃え上がり、中にいた5歳の男の子が亡くなった。作品の素材として使用されていたオガクズが白熱灯の熱によって燃えてしまったのだという。アート…

長く、ゆっくり、遠くまで

ほんの3年前まで、5キロ以上の距離を走ったことがなかった。マラソン大会といっても、ユニセフカップなどに設けられたファミリー3キロの部に出場し、子どもたちと一緒に楽しく走っていた程度だった。それが、一昨年、友人から「神戸マラソン出て見ない?クォ…

子どもたちに本物の作品を

子どもたちには、出来る限り本物を提供したい。ほんの少し、短い瞬間でもいいから、本物の芸術文化に触れて欲しい。劇団KIOによる児童演劇「卵をとるのはだあれ」が神戸市中央区の区民センターで開催された。築40年を超え、レトロな雰囲気を醸し出す同センタ…

いちばん大切な人

出会った頃は、お互いに「相手のために、自分に何が出来るだろう」と相手の喜ぶ姿に自分の喜びや生き甲斐を見出そうとする。それは、相手に気に入られたいからという下心もさることながら、やはり純粋に相手を尊重し、相手のためを想う気持ちが強いからだと…

神様を意識する季節

毎年この時期になると、ヘンデルの「メサイア」が聴きたくなる。この時期だけクリスチャンになって、神様について考えてみたりする。この時期以外に神様のことを思い出すのは、困ったときとか。あと、いろんなことが上手く運んだとき。神様って、ちゃんと見…