お気に入りの場所

図書館の建物の中にある喫茶店でランチした。サンドイッチとコーヒー。そこは一人で過ごす客が多くて、それぞれに何か書物と向き合いながら食事やお茶を楽しんでいる。静かで、ゆったりリラックス出来る空間だ。仕事の忙しさや、日常の喧騒が別世界みたいに思えてくる。

こんなふうに過ごせる場所を、いくつ知っているだろうか。数えてみるけど、あまり思いあたらない。自宅にいると、一人でいてもあれこれするべきことなどが気になって、決して豊かな時間の過ごし方とは言えない。やはり、脱日常な空間であることが好ましい。

静かな環境に身を投じて、ひととき過ごすと、さまざまな想いがリセット出来る。たとえ具体的な問題解決にならなくても、気持ちが新しくなる。そして、新しい気持ちで再び日常の中に戻ることが出来る。


毎日がゼロスタートなんだと、以前友達が言っていたけど、昨日までのわだかまりや慢心をリセットし、全く何もない「ゼロ」の状態からスタートすると、思い込みやしがらみから解放されて、周辺の状況を無垢な状態で素直に受け入れることが出来る。生まれたての赤ちゃんのように、世界を信頼してただ前だけを向くことが出来る。

とは、いささか大袈裟だが、ほんの少しだけでもリセット出来るんじゃないかな。


お気に入りの場所で、ほんの少しだけのリフレッシュ。そんな、贅沢な時間を、そして、ゼロになれる場面が、時には必要なんだ。