経験という財産

経験は財産になる。たとえ上達しなくても、前に進めなくても、失敗したとしても、繰り返して経験した事実は財産となり、根拠となり得ると思う。

だから、やっても無駄だなんて思わないで、いっぱい経験した方がいい。


経験値の高い人は、経験上のさまざまな角度から推察することが出来るので、読みが深くなり、正確だ。経験値の低い人は、推測だけで判断せざるを得ないから、読みも浅くなる。物事の判断ひとつとっても、経験値の高い人の方が信頼出来る。


よく言われていることだが、失敗も経験のひとつとして貴重なデータになる。失敗から学ぶことは多いのだ。だから失敗でさえも、無駄な経験にはなり得ないのだ。

ノーベル賞を取った北里大学大村智さんは「沢山失敗した方がいい」と語っている。彼のこれまでの研究について「試みたのは、ほとんど失敗した。だが、驚くほどよくなる時がある。それを味わえば、数回失敗しても怖くない」と。

大村氏に限らず科学者の多くは同様の考え方を伝え、世に残している。失敗を怖れず、経験を積むようにと。


経験を積むと、その経験値は自分の中にデータとして蓄積される。そして新しい経験をする時にこのデータが活用されるのだ。経験の数だけ引き出しが増える。つまり財産が増える。


頭の中で、机の上で考えているだけでは、蓄積にならない。やはり実際に経験することが重要だ。時間は無限ではない。与えられた人生の限られた時間内で、出来る限り沢山の経験を重ねること。そして学ぶことが、後に続く人たちにデータを残す意味でも、今の自分に与えられた役割なのかなと考える。

それと、大成功ばかりの人生なんて、きっとつまんない。