指定管理制度について

指定管理制度という制度がある。
公立施設の管理・運営を民間の団体などに管理委託するもので、地方自治法の改正により2003年から施行された。経費節減を意図した公設民営の一環とも言われている。
水族館や文化施設、公民館など多くの施設で適用され、民間の事業者に管理が変わってから良くなったと評価を受けている施設も多い。地域住民へのサービス向上のためには、この制度を採用して正解と言える。
しかし、一方で、4年に一度(または3年に一度)管理者が変わることによって運営方針やスタッフがガラリと様変わりしてしまい、地域の利用者に混乱を与えてしまう。変化には不安がつきものだし、慣れるまでに時間もかかるのに、慣れた頃にはまた変わる可能性がある。
現行の管理者のサービスの質が悪い場合は、即刻変わった方がいい。地域住民が公共の施設に我慢する必要はないからだ。
でも、現行の管理者のサービスに、住民が満足している場合は、やはり住民の意向を尊重しなければならない。自治体の事情はあるだろうが、住民あっての自治体である以上、住民の意向を無視するわけにはいかないのだ。
自治体の事情と地域のニーズとは、折り合いをつけるという類のものではなく、ほぼ一致して、寄り添わなければいけないのではないか。自治体の事情を優先する余り、住民からかけ離れた存在になってしまわないように、指定管理制度に関しては、きめ細かい配慮を重ねる必要がある。