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肯定の連鎖

他を否定することによって自分を正当化するのは、コミュニケーションの技法の一つなのだろう。が、そのやり取りの目的地は一体どこにあるのだろうか。


スーパーマーケットでリンゴを選ぶ時、形がいびつであるとか、赤味にムラがあるとか、そんなマイナス部分をわざわざ探すだろうか。丸くて赤くて香りのいいものを探し出そうとするはずだ。なぜならば、それこそが目的なのだから。

たしかに、よくよく吟味して選びたい時には徹底的に欠点まで洗い出す。しかしそれはあくまでも「吟味」であって、別の何かを正当化するための行為ではないのだ。

対人関係において、相手を否定して自分を正当化する方法の目的地は、ただ「自分を正当化する」ことでしかない。状況をよくするためでもなければ、前に向かって進むためでもない。


では、なぜ他を否定してまで自分を正当化しなければいけないのか考えてみる。考えるまでもなく、それは自分に自信がないからということに尽きるだろう。自信はないけど、どこかで優位に立っておきたいという自己中心的で勝手な論理なのだ。

でも、気づかなければいけない。他者を否定しても、自分が優位に立つことはできない。さらに、一つの否定は次の否定を生み、連鎖して行く。「憎しみの連鎖」とよく似ているのだ。そして最終的には自分の否定へと繋がる。

スーパーでリンゴを選ぶ時みたいに、人間関係も肯定的でありたい。鼻歌を口ずさみながら、良いところを探すのだ。ご機嫌な人にはきっとご機嫌な事件が集まってくる。そんなご機嫌な状況を目的地にするならば、自分を正当化する必要さえなくなるだろう。みんな正しいのだから。

否定の連鎖ではなく、肯定を連鎖させよう。もっと自分に自信を持って!